当社も参画する「不動産有料引取業協議会」を、2025年12月26日に一般社団法人化したことをご報告いたします。
以下、一般社団法人化にあたっての背景を説明させていただきます。
1.不動産の有料引取サービスとは。また、その社会背景について
近年、人口減少や地域間格差の拡大を背景に、従来の不動産売買市場では取引が成立しない不動産が急増しています。
また、こういった不動産は終活や相続を機に問題となることが多く、買い手が見つからずに管理の手間や所有者責任だけの発生する土地を、親族で押し付け合うというケースが急増しています。
こうした、いわゆる「相続負動産」に対する現実的な解決策として、処分費用を支払って不動産を引き取ってもらうという「不動産有料引取サービス」の需要が急速に拡大しています。
しかし、不動産の有料引取という新しい商取引に関する法整備は整っておらず、近年、その課題や危険性は国土交通省の不動産部会等でも取り上げられ、注目を集めている状況です。
参考記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000090854.html
2.不動産の有料引取サービスの課題感について
現在、国土交通省による発表では、不動産有料引取サービスは「出口の見えない不動産」を持つ所有者のニーズに応える取引形態として一定の評価を受けつつも、特に、以下の3点が懸念とされています。
(1)取引の安全性の確保
引取料を支払ったにもかかわらず所有権移転登記が行われないなどの、取引上のトラブルが発生しないか。
(2)不動産の適正価格での取引機会の確保
本来であれば適正な市場価格で売却可能である不動産が有料引取の対象となり、適正価格での取引機会が失われることにならないか。
(3)引取後の不動産の適正な管理の確保
不動産引取業者による引取後の不動産の適正な管理は確保されるか。将来的な管理不全土地や所有者不明土地の増加に繋がらないか。
3.不動産有料引取業協議会の目的と、一般社団法人化の背景について
不動産有料引取業協議会は、有料引取サービスを提供する有志の企業が集まり、2023年11月に発足した任意団体です。
発足以来、「業界の健全な育成」「消費者の保護」を最優先事項として掲げてガイドライン策定や課題整理に取り組んでまいりました。
そしてこの度、上記のような社会背景や要請を受けて、国交省指摘の3つの懸念点を払拭し、自主規制から一歩進んだ社会的基準として、より高い透明性・公平性・継続性を備えた枠組みとして社会に実装するために、一般社団法人化を進めることとなりました。
この度の一般社団法人化は、拡大を続ける不動産有料引取サービスを、社会的に信頼される仕組みとして定着させるための転換点となるものだと考えております。
協議会の今後の活動方針
(1)業界共通ルールの策定と実装
現場の実務に即したガイドラインを策定し、実効性のあるルール作りを推進してまいります。
(2)参画企業の質の担保と情報公開の強化
審査基準と行動規範を設け、法令遵守はもちろん、高い倫理性を前提とした事業者のみが参画できる体制を構築します。
(3)利用者への透明な説明責任の徹底
利用者に費用が発生する理由、引取後の不動産の管理・処分方針などを可視化し、サービス所有者が十分に理解・納得した上で判断できる環境を整えます。
(4)行政・専門家・地域との連携強化
自治体・金融機関・士業専門家などと連携し、社会制度との接続を図ります。
代表理事 小林弘典(株式会社KLC代表)コメント
2026年は、まさに“大相続時代”の本格到来といえる年です。
空き家、原野、山林など、相続しても使い道がなく、持ち続けることが負担になっている不動産の相談はますます増加するでしょう。
不動産有料引取サービスは、そうした社会課題に対応する“第三の選択肢”です。
私たちは、業界全体で責任ある仕組みを育て、誰もが安心して相談できる環境を整えてまいります。
一般社団法人 不動産有料引取業協議会 概要
団体名:一般社団法人 不動産有料引取業協議会
任意団体設立:2023年11月
一般社団法人設立:2025年12月
代表理事:小林 弘典(株式会社KLC 代表取締役)
住所:東京都千代田区九段北4-3-26 N-cross KUDAN 6階
主な活動:
・不動産有料引取サービスに関するガイドライン策定・運用
・会員事業者の質の担保と情報共有
・行政・金融機関・士業等との連携