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遊休地活用事例
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遊休地の活用事例とは?活用できない場合の解決策も合わせて解説!

遊休地を所有しているものの、活用できず困ってはいないでしょうか。相続等で遊休地を意図せず所有することになった場合、不動産の知識がない人にとって活用方法を考えることは難しいといえます。そこで本記事では、遊休地を活用する方法や、活用のためのポイント、注意点等をお伝えします。

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遊休地とは

遊休地とは、文字通り利用されておらず、「遊ばせている」「休んでいる」といった状態の土地をさします。相続で土地を手にすることになった場合、田舎にあって管理できなかったり、農地や山林を相続したものの、活用できず遊休地になっているといったケースがよく見受けられます。

いらない土地を収益化!遊休地の活用事例10選

いらない土地を収益化!遊休地の活用事例10選

遊休地の活用には、様々な種類の方法があります。ここでは、遊休地のおすすめの活用事例を紹介します。

1.貸地

貸地は、土地をそのまま貸し出す活用法です。所有者にとっては、土地を整備したりといった手間や費用をかけずに土地を活用できるため、最もハードルが低い方法といえます。ただし、貸している間は土地の売買や利用などもできなくなるため、契約期間等はよく検討するようにしましょう。

2.月極駐車場

月極駐車場は、月単位で駐車場として土地を貸し出す方法です。車両ごとの区画など、簡単な整備で始められて、管理の手間もすくないため、住宅地等、駐車場のニーズが見込める土地でおすすめの方法です。初期投資が少なく参入ハードルが低いため、価格競争に巻き込まれたり、立地によっては、空車リスクがある点に注意が必要です。

3.コインパーキング

コインパーキングは、時間貸しの有料駐車場です。交通量が多いオフィス街などの土地でオススメの活用方法です。ロック板や精算機など初期投資が必要ですが、比較的管理の手間はかけずに運営することが出来るため、交通量が多い道路に面しているなど、コインパーキングの需要が見込める遊休地をもっている場合はおすすめです。

4.トランクルーム

トランクルームは、コンテナなどを設置し、倉庫を提供する方法です。住宅地にある遊休地であれば、安定したニーズが見込めます。コンテナの設置に初期投資が必要な点や、荷物の盗難といったセキュリティリスクがある点に注意が必要です。

5.コインランドリー

コインランドリーは、特に単身世帯が多い地域におすすめの活用方法です。洗濯機や乾燥機といった設備に初期投資が必要ですが、狭い土地でも始めやすいといったメリットがあります。運営にあたり、収益に季節性がある点や、競合との価格競争に巻き込まれやすい点に注意しましょう。

6.太陽光発電

太陽光発電は、太陽光パネルを設置し売電することで、収益を得るビジネスモデルです。国が定額で電気を買い取ってくれる制度があるため、不動産の知識がなくても安定した収益をあげられる可能性があります。ただし、初期投資が必要な点や設備の盗難リスクがあります。

7.福祉・介護施設経営

遊休地の活用として、福祉・介護施設の経営といった方法もあります。遊休地を活用することで、通常は経費の中でも負担となる家賃を払うことなく、福祉施設や介護施設を運営することができます。経営の知識や業界理解が必要となりますが、軌道にのせることができれば、国からの給付金により安定した収益が見込めます。

8.賃貸アパート経営

高収益を狙う場合は、賃貸アパート経営がおすすめです。賃貸アパートは、アパートを建てて貸し出すことで収益を得る活用方法です。初期投資が大きくなりがちで、メンテナンス、清掃といった手間はかかりますが、軌道にのせることができれば大きな収益に期待できます。

9.オフィスビル賃貸

遊休地の立地によっては、オフィスビルの賃貸も検討しましょう。オフィスビルの賃貸は、初期投資が必要となりますが、うまく遊休地を活用できれば、テナント収入が見込めます。また場所によっては、値上がり益を狙うこともできます。注意点として、空室リスクがある点や、初期投資が高額になる点を把握しておきましょう。

10.等価交換

等価交換は、土地オーナーが土地を提供し、デベロッパー(開発業者)が建物を建設する共同事業です。自己資金なしで高収益に期待できるが、立地がいいなど利用しやすい土地でないと難しい活用方法です。また、権利関係が複雑になるなど専門知識が必要となります。

こんな土地は要注意!?活用が難しい遊休地の特徴とは

こんな土地は要注意!?活用が難しい遊休地の特徴とは

遊休地には多くの活用方法がありますが、条件によっては活用が難しい場合もあります。ここでは、活用が難しくなってしまう遊休地の特徴を紹介します。

立地が悪い

立地が悪い土地は、活用が難しい場合があります。たとえば傾斜があったり、接道しておらず土地にたどり着くのが難しい、田舎で利便性が悪い場所にある、旗竿地になっているといった土地は、活用しようとしても、建物がたてられなかったり、そもそも人を集めることができず、活用できない可能性があります。

法的に整備されていない

法的に整備されていない土地も、活用するのは困難となります。たとえば、土地を複数人で分割して所有している、担保権が設定されている、境界が曖昧で争いがあるなど、法的に整備されていな土地は、土地利用までのハードルが高く、活用が難しくなります。

遊休地の放置は危険?活用しないと起こるリスク3選

遊休地の放置は危険?活用しないと起こるリスク3選

遊休地を活用できない場合、処分するのも面倒に感じ放置しておくという人もいるかもしれません。しかし、遊休地の放置は、様々なリスクを起こす可能性があります。

金銭的なリスク

土地を放置することは、それだけで金銭的なリスクを負うことになります。収益を生んでいない土地でも固定資産税は払い続ける必要があります。また、維持・管理のための費用も発生します。しっかりと管理を行っていないと、庭木が隣地に侵入したり、建物が倒壊して通行人に被害を与え損害賠償を請求されるといった危険も高まります。

対人関係のリスク

遊休地をそのままにしておくと、対人トラブルを抱えてしまう可能性もあります。たとえば、庭木や雑草が繁殖し、隣地との境界が不明瞭になり所有を巡ったトラブルになる、獣害や害虫の原因になってクレームをいれられるといったトラブルも考えられます。また、土地が処分されないままに子や孫に引き継がれてしまうと、土地の押し付け合いに発展する可能性もあります。

犯罪発生のリスク

放置された土地は、最悪の場合犯罪発生のリスクがあります。管理されていないとみなされた土地は、不法投棄の標的とされてしまう可能性があります。また、放火や不審火が起こったり、空き巣に侵入されてしまうことも考えられます。最悪の場合は、知らないうちに犯罪現場に使われてしまい、巻き込まれてしまうリスクも高まります。

遊休地を活用できない時の処分方法とは?

遊休地を活用できない時の処分方法とは?

遊休地を所有していると、税金や維持・管理の負担が重くのしかかるため、できるだけ早く処分することをおすすめします。しかし、処分しようにも方法がわからないという方も多いのではないでしょうか。ここでは遊休地を処分するための方法をお伝えします。

不動産会社に売却を依頼する

遊休地を所有している場合は、まず不動産会社への売却を検討しましょう。買い手が見つかれば、不要な遊休地を引き取ってもらい、かつ収益を得ることができます。買取は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法と、仲介があります。買取はすぐに売却できますが、値段が安くなりがち、仲介は時間がかかるが希望の価格で売却しやすいといった特徴がありますので、自身の土地にあった方法を選択しましょう。

自治体に寄付

自治体によっては、土地の寄付を受け付けている場合があります。寄付をすることができれば、不要な土地を無償で処分できます。ただし、自治体への寄付は自治体が再活用できる土地に限られるなど条件が厳しいため、不動産会社に断られてしまうような土地の場合、引き取ってもらうことが難しい点に注意しましょう。

相続土地国庫帰属制度

相続土地国庫帰属制度は、国が有償で土地を引き取ってくれる制度です。相続、または遺贈によって手にした土地が対象となり、農地や山林といった地目の土地でも引き取ってもらうことが可能です。注意点として、審査時にかかる審査手数料は不承認でも返還されない、建物が建っている土地は対象とならないといった条件がある点を把握しておきましょう。利用を検討している場合は、まず最寄りの法務局に相談してみることをおすすめします。

不動産引き取り業者に依頼

遊休地の処分先が見つからない場合は、不動産引き取り業者への依頼を検討しましょう。

不動産引き取り業者は、不要な土地を活用するノウハウをもっています。不動産会社に断られてしまった、相続土地国庫帰属制度や自治体への寄付も利用できないなど、他の方法で処分できなかった土地でも引き取ってもらえる可能性があります。

遊休地は、放置しておくと税金や維持管理の負担がのしかかるだけでなく、土地も荒れてますます処分が困難となります。不要な土地に困っている場合は、まずは無料査定申し込みだけでも検討してみましょう。

マッチングサービスの利用

処分が難しい土地の場合は、マッチングサービスの利用もおすすめです。マッチングサービスは、土地を売りたい人と買いたい人をつなぐプラットフォームで、売買に対して関心の高いユーザーが集まるため、成約率が高いというメリットがあります。

マッチングサービスを利用すると、他の方法では価格がつかなかったり、農地であるため買い手がみつかりづらいといった場合でも、好きな価格で登録を行い、全国の買い手に向けて情報を発信することができます。

まとめ

本記事では、遊休地の活用事例や、活用が難しい遊休地の特徴、処分方法などを紹介しました。遊休地を所有しているが活用できていない、遊休地の管理に困っているという方はぜひ参考にしてみてください。

監修者 監修者

株式会社KLC 代表 小林 弘典

幼少期から不動産が大好きな、自他共に認める不動産マニア。

不動産会社でも手を出せない不動産の専門会社「株式会社KLC」代表を勤め、
自身のYoutubeチャンネル「相続の鉄人」にて、負動産問題について啓蒙活動も実施。

  • 総務省 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業登録アドバイザー
  • 空き家等低利用不動産流通推進協議会 理事
  • 立命館大学経済学部 客員講師
  • 不動産有料引取業協議会 代表理事

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