バブル期や高度経済成長期に大規模に開発されたものの、買い手がつかず荒れ果てたニュータウンを、限界ニュータウンと呼ぶことがあります。
本記事では、限界ニュータウンが生まれた背景や将来性、限界ニュータウンに土地を所有している場合の処分方法について紹介致します。
限界ニュータウンとは
限界ニュータウンは、メディアを中心に使われるようになった造語です。明確な定義はないものの、郊外において開発された分譲地のうち、荒廃した限界集落の様なニュータウンを「限界ニュータウン」「限界分譲地」※と表現するようになりました。
関東では千葉県や茨城県、関西では、大阪などに限界ニュータウンと呼ばれる地域が存在します。
参考:吉川祐介「URBANSPRAWL -限界ニュータウン探訪記-」
限界ニュータウンが生まれた背景とは
限界ニュータウンが生まれた背景には、様々なものがあるといわれています。1960年代から1970年代にかけて、日本は高度経済成長期を迎え、人口も増加したことで住宅不足が深刻になり、郊外の住宅地が開発されましたが、無理な開発計画により開発が中断してしまったことなどが原因としてあげられます。
また、バブル期に投機目的で買われた土地が、バブル崩壊により放置されてしまうこともありました。その他にも、都市計画区域外の土地を開発を見越して大量に購入したものの、宅地として活用されなかったといった例もみられます。
限界ニュータウンが生まれたと考えられる原因
・高度経済成長期における郊外の無理な開発
・投機用の土地がバブル崩壊によって放置
・開発を見越して購入された土地が頓挫して活用されなかった
限界ニュータウンの現在は?将来はどうなっていく?
限界ニュータウンは、人口減少によって過疎化し、衰退していく限界集落のように荒廃していくと予想されていましたが、現在は住宅価格の上昇もあり、場所によっては売買取引が進んでいます。
また、行政が積極的に企業誘致を行うなど、限界ニュータウンの再活用に向けて活動が活発化している地域もあります。近年、住宅価格は上昇し、需要が高まっていることから、立地がいい不動産については、売れていく充分な可能性があります。
限界ニュータウンの不動産処分におすすめの方法5選
限界ニュータウンのような荒廃した土地にある不動産は、放置しておくとトラブルに巻き込まれたり、税金の支払い義務を負うなど様々な不利益があります。そのため、もし可能であれば出来るだけ早く処分することをおすすめします。
ここでは、限界ニュータウンの不動産を所持している方に向けて、おすすめの処分方法を紹介します。
不動産会社に依頼する
限界ニュータウンの土地を処分する場合、不動産会社に仲介、又は買い取りを依頼する方法があります。限界ニュータウンの土地であっても、立地によっては売却によって利益をあげることができる可能性があります。
ただし、場合によっては、買い取りを断られてしまったり、なかなか買い手が現れない可能性があります。
自治体等へ寄付する
処分費用をかけずに処分したい場合は、自治体等へ寄付する方法がおすすめです。自治体等に寄付で不動産を引き渡すことができれば、無償で要らない土地を処分することができます。
ただし、自治体は寄付を受け付ける基準が厳しく、土地が荒れている、境界がはっきりしないなど、活用や管理が難しい場合は受けつけて貰えない可能性がある点に注意しましょう。
マッチングサイトの利用
マッチングサイトの利用は、不要な土地の処分を検討している場合におすすめの方法です。マッチングサイトは全国どこからでも簡単に登録ができ、自分の好きな価格で取り引きができます。また、取り引きに関心が高いユーザーが集まっているため、成約率が高くなっています。
利用には手数料がかかる場合があるため、事前に確認しておくといいでしょう。
引き取り業者の利用
処分が難しい土地の場合は、引き取り業者の利用が有効です。引き取り業者は、不動産の引き取りを専門とする業者で、通常の不動産会社や寄付等でも取り扱いができない不動産でも、引き取りを行ってくれます。
引き取り業者の利用は有償が前提ですが、税金の支払いや管理義務からできるだけ早く解放されたい方におすすめの処分方法です。
収益化を目指す
立地がいいなど、好条件の土地の場合は、収益化を目指すことも検討してみましょう。そのままでは活用できない場合でも、更地にして駐車場にする、トランクルームを設置するといった方法で収益化できる場合があります。
収益化を目指す場合は、初期費用等が必要となり、上手くいかない可能性もあります。専門家に相談するなど、充分な準備を重ねた上で取り組むようにしましょう。
まとめ
本記事では、限界ニュータウンの概要や背景、将来性や処分方法について解説しました。人口減少により過疎地域が増加している近年、限界ニュータウンのような衰退した地域は社会問題となりつつあります。本記事を参考に、ぜひ理解を深めていただければ幸いです。