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原野商法とは?二次被害に合わないための対策と不要な土地の処分方法
相続負動産のキホン

原野商法とは?二次被害に合わないための対策と不要な土地の処分方法

原野商法は、資産価値のない原野や山林を高値で販売する投資詐欺です。バブル期の1970年代から80年代に多発し、最近では原野商法にあった方をターゲットに、さらなる投資詐欺に勧誘する二次被害が発生していることでも話題になりました。

本記事では、原野商法の概要や二次被害に合わないための対策、もし被害に合ってしまった場合の対処方法などをお伝えします。原野商法について知りたい、困っているという方はぜひ参考にしてみて下さい。

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原野商法とは

原野商法とは

原野商法とは、資産価値がない北海道の原野や山林などを「将来値上がりする」「リゾート開発が計画されている」といった嘘の勧誘で売りつける悪質な投資詐欺です。

「原野商法」は、値上がりの見込みがほとんどないような山林や原野について、実際には建設計画等はないにもかかわらず「開発計画がある」「もうすぐ道路ができる」などとうその説明をしたり、「将来確実に値上がりする」などと問題勧誘を行ったりして販売をする商法です。

引用:「原野商法」再燃!「土地を買い取ります」などの勧誘に要注意 | 政府広報オンライン

原野商法の歴史

原野商法が最も流行したのは、1970年代から1980年代にかけての高度経済成長期からバブル期です。当時は「土地を持っていれば必ず値上がりする」という土地神話が浸透していました。悪徳業者は、全国の原野を安値で買い占め、消費者の心理につけ込み、投資用として高値で売り捌きました。

当時はまだインターネットなども普及しておらず、現地の確認もせず、価値をよく理解せずに購入を決めてしまうといった被害者が続出しました。実際には、リゾート開発の計画などは存在せず、売ることも活用することもできない「負動産」が日本各地に残されることとなりました。

引用:政府広報オンライン「原野商法」再燃!「土地を買い取ります」などの勧誘に要注意 | 政府広報オンライン

近年は発生件数は減少傾向にありますが、平成30年までは年間1000件を超える相談が寄せられていました。最近では、1件当たりの被害額が250万円を超えるなど高額化し、再び被害が深刻化しています。

原野商法の二次被害とは

原野商法の二次被害とは

原野商法において、注意したいのが二次被害です。二次被害とは、過去に原野商法で被害に遭った方やその相続人をターゲットにした投資詐欺です。

二次被害の手口は巧妙で、「原野商法の土地を高値で買い取ります」などの甘い言葉で近づき、手数料などの名目で金銭を騙し取るなど、詐欺に誘いこんできます。一度騙された人の名簿が悪質業者の間で出回っているとの情報もあるため、過去被害にあった方は特に注意する必要があります。

二次被害の手口とは

二次被害の手法は様々で、他の土地の購入を誘う「下取り型」、山林の調査を行うといって調査費を請求後、連絡がとれなくなる「サービス提供型」、架空の管理費を請求する「管理費請求型」など一見詐欺とわかりづらい手口を使って、誘導しているのが特徴です。

2007年度は488件となっておりその後しばらく落ち着いていましたが、2017年には、1196件と再び増加傾向にあります。

引用:独立行政法人国民生活センター「より深刻に!「原野商法の二次被害」トラブル-原野や山林などの買い取り話には耳を貸さない!契約しない!-」

二次被害を防ぐために注意したい3つのポイントとは

二次被害を防ぐために注意したい3つのポイントとは

二次被害は、原野商法に合った被害者の心理につけ込み巧妙に行われます。被害に合わないためにも、注意しておきたいポイントをお伝えします。

即決しない

もし投資の話を持ち掛けられた場合でも、即決はしないようにしましょう。業者は、「今すぐ契約しないと買い手が逃げてしまう」「今だけの特別価格」と決断を急かしてきますが、絶対にその場で契約書に印鑑を押したり、承諾してはいけません。

今決めないといけない、など業者に急かされた場合でも、必ず一度持ち帰って冷静に判断することが大切です。

第三者に相談する

もし投資の勧誘にあった場合は、必ず第三者に相談するようにしましょう。業者は、「周りに話を漏らしてはいけない」「あなただけに教える」など、周囲に相談することを邪魔してきます。

業者は、長時間話し込んで巧みに判断力を鈍らせるよう話を持っていくため、その時正しいと思ったことでも、振り返れば間違った判断ということになりかねません。自分や身内だけで判断せず、第三者に相談するようにしましょう。

支払いはしない

いかなる理由があっても、不当な支払いには応じないようにしましょう。業者は、「手付金」「調査費用」と言った言葉を使い、巧みに支払いをさせようとしてきます。

しかし、一度支払ってしまった金銭を取り戻すのは困難です。また支払い後に連絡が全くとれなくなってしまった、相手の会社が倒産してしまったというケースも報告されています。公的機関からの請求を装う場合もあるため、請求元が正しい機関かどうかも確認しましょう。

原野商法の被害に合った時の対処方法とは

原野商法の被害に合った時の対処方法とは

もし原野商法の被害にあってしまった場合は、できるだけ早く関係機関等に相談することが大切です。ここでは、被害にあってしまった、詐欺に狙われていると感じた場合にできる対処方法をお伝えします。

消費者生活センターに相談する

原野商法の被害が疑われる場合は、まずは消費者生活センターに相談しましょう。全国共通の電話番号である「188」に電話すれば、最寄りの窓口に繋がります。消費者生活センターでは、消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付けています。

相談する際は、業者とのやり取りのメールやメッセージ、メモや契約書、振り込み記録などの資料を手元に用意しておくとスムーズです。

クーリングオフを活用する

もし詐欺と思われる契約をしてしまった場合でも、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる「クーリングオフ制度」が適用できる可能性があります。一般的に、不動産売買の場合は、宅地建物取引業者が自ら売主となり、事務所以外の場所で契約が行われた、といったケースが対象となります。(ただし、買主が自ら自宅での交渉を希望した場合や、代金の支払いと物件の引き渡しが済んでいる場合などを除きます。)

クーリングオフが利用できる期間は、契約書面を受け取った日から8日以内とされていますが、業者が嘘をついたり脅したりして手続きを妨害した場合は、その期間を過ぎても解除できる可能性があります。クーリングオフの利用可否については、状況によって条件が異なるため、消費者生活センターや弁護士に確認を依頼することをおすすめします。

消費者契約法による契約取消

クーリングオフ期間を過ぎてしまったり、利用できない場合でも、消費者契約法に基づき契約を取り消せる可能性があります。例えば、業者が「絶対に値上がりする」と不実の告知をした場合や、退去を求めたのに帰ってくれない「不退去」の状態で契約させられた場合などが該当します。

原野商法に該当する不当な勧誘があったのであれば、契約取り消しが認められる可能性がありますので、弁護士等の専門家に相談してみましょう。

原野商法の土地にも使える処分方法5選

原野商法の土地にも使える処分方法5選

原野商法で資産価値のない土地を所有することになってしまった場合は、不動産会社でも取り扱ってくれず、処分に困ってしまう場合がほとんどです。

しかし、騙されて手にした土地であっても、税金の支払いや、土地の維持・管理責任が発生してしまいます。放置しておくと不法投棄にあったり、相続されると子や孫に不要な土地の負担を押し付けることになってしまいます。

かといって資産価値がない土地の処分方法を探すことは容易ではありません。そこでここでは、原野商法で手にした土地にも使えるおすすめの処分方法をお伝えします。

相続放棄

土地を相続する前であれば、相続放棄が最も確実な選択です。相続放棄をすれば、最初から相続人ではなかったことになるため、不要な土地の管理義務や税負担から完全に解放されます。ただし、相続放棄をする場合は、預貯金などのプラスの財産も含め、すべての財産を放棄しなければならない点に注意しましょう。

相続財産に不要な土地が含まれる場合は、相続財産を調査したうえで、相続放棄した方が得かどうかを検討しましょう。

相続土地国庫帰属制度

相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈によって取得した土地を国に有償で引き取ってもらえる制度です。原野商法で所有することになった山林や原野であっても利用可能です。

ただし、すべての土地に利用できるわけではなく、建物がないこと、境界が明確であるなどの審査基準があり、該当しない場合は、却下となるケースもあります。また、利用には審査手数料と負担金を納める必要があります。不承認となっても審査手数料は返金されないため、利用する場合は最寄りの法務局に相談してみましょう。

隣人に譲渡

もし土地の近隣住民と付き合いがある場合は、土地の譲渡を検討してみましょう。単体では使い道がない土地であっても、まとまることで土地の価値が上がったり、土地が広くなることで活用の選択肢がひろがるといったメリットがあるため、受け入れてもらえる可能性があります。

連絡先がわからない場合は、法務局で登記謄本を取得することで住所を調べることができます。

引き取り業者に依頼

通常の不動産会社に売却ができないような土地の場合は、引き取り先がみつからないことも考えられます。どうしても不要な土地の処分ができない場合は、土地を引き取ってくれる引き取り業者に依頼する方法があります。

引き取りは有料となる場合もありますが、税金や維持・管理の負担が生涯続くこと、相続されたら、子や孫にとっても不要な資産になることなどを考えたら、得をするケースがほとんどです。ただし、業者の中には引き取るふりをして別の詐欺に誘導するといった業者もいるため、依頼をする際は信頼できる会社かどうかをよく確認するようにしましょう。

マッチングサービス

不要な土地の処分には、マッチングサービスの利用もおすすめです。最近では、マッチングサービスを通じて不動産取引を行う方も増えています。マッチングサービスは、不動産を買いたい人や活用したい人と、売りたい人や譲渡したい人をつなぐプラットフォームです。

マッチングサービスを利用すれば、不動産会社には取り扱ってもらえなかった土地でも自由に情報を発信でき、週末だけ使えるキャンプ場がほしいなど、通常の不動産取引にはないニッチなニーズにマッチする可能性があります。原野商法の土地に困っているという方は、まずは登録してみることをおすすめします。

まとめ

原野商法の被害は、少なからず年々発生しております。また近年では、二次被害の報告も増えております。原野商法で使われる土地は、ほとんどが資産価値がなく所有しても売り先や譲渡先が見つからない土地がほとんどにも関わらず、法律上は被害者に税金や維持・管理義務が発生します。原野商法の土地に困っているという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

監修者 監修者

株式会社KLC 代表 小林 弘典

幼少期から不動産が大好きな、自他共に認める不動産マニア。

不動産会社でも手を出せない不動産の専門会社「株式会社KLC」代表を勤め、
自身のYoutubeチャンネル「相続の鉄人」にて、負動産問題について啓蒙活動も実施。

  • 総務省 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業登録アドバイザー
  • 空き家等低利用不動産流通推進協議会 理事
  • 立命館大学経済学部 客員講師
  • 不動産有料引取業協議会 代表理事

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