
売れない山林を譲渡したい!手続きの方法や税金について詳しく解説!
相続などで売れない山林を所有することになってしまい、譲渡したいと考える方も多いのではないでしょうか。いらない山林は、所有しているだけで固定資産税が発生し、維持・管理のための手間は大きな負担となります。
本記事では、不要な山林を譲渡する方法や、税金や手続きの進め方、譲渡できなかった場合の処分方法など、売れない山林でお困りの方に役立つ情報を紹介しています。
不要な山林の譲渡先とは?

日頃から不動産取引の経験や知識がない場合、山林をどこに譲渡すればいいのかわからないという方も多いと思います。ここでは、不要な山林の譲渡先について紹介します。
自治体
自治体によっては、山林の寄付を受け入れている場合があります。ただし、すべての自治体が寄付を受け入れているわけではなく、また受け入れの条件はかなり厳しくなっています。寄付を引き受けた山林は、維持管理にかかる経費を市民の税金等から賄われるため、道路や公園など公共性の高い不動産に転用できる場合を除き、多くの場合は引き受けられないのが実態です。
国(相続土地国庫帰属制度)
相続、または遺贈によって不要な山林を手にした場合に使えるのが、相続土地国庫帰属制度です。相続土地国庫帰属制度を使えば、有償で山林を国に引き取って貰うことができます。ただし、利用には条件があり、申請後に不承認となった場合も手数料が返金されないため、事前に最寄りの法務局等に相談してみることをおすすめします。
森林組合等の法人
森林組合など、様々な法人で山林の寄付を受け付けています。森林組合の他には、学校法人や社会福祉法人、医療法人等で山林を受け入れてもらえる場合があります。ただし、法人によっても受け入れの条件等が異なるため、事前に確認するようにしましょう。
個人
山林の寄付は、個人でも受け付けている場合があります。個人への寄付を検討する場合は、町内会に相談し、山林の寄付を周知してもらう、回覧板や掲示板等を使って寄付を呼びかけるといった方法があります。
山林を譲渡する方法とは?必要な手続きを解説

山林の場合でも、譲渡の手続きは基本的に通常の不動産と同じですが、森林法等の規制がないかといった確認や、山林の樹木についての確認等が必要となります。ここでは、実際に山林を譲渡する場合の手続きや手順について解説します。
1.現地調査
まずは山林についての現地調査を行い、譲渡のために必要な情報を収集します。隣地との境界は明確になっているか、その他にも、山林に生えている樹木の種類、生育状況等が必要となります。あわせて、自治体の都市計画課や環境保全課に問い合わせ、森林法や、自然公園法等の規制を受けていないかを確認しましょう。
2.必要書類の準備
現地調査が終わったら、必要書類の準備を行います。譲渡をする場合は、固定資産税の課税証明書や地盤図、登記事項証明書、公図、印鑑証明書等が必要となります。譲渡先によっても必要な書類は異なるため、確認しておきましょう。
主な必要書類と入手先
・固定資産税の課税証明書・・市区町村の税務課等で入手
・地番図・・都市計画課等
・登記事項証明書・・法務局
・公図・・法務局
・印鑑証明書・・市役所等で入手
3.契約
必要書類を準備したら、契約手続きに入ります。山林の引き渡しの条件や時期等を決め、契約書類を作成します。売買となる場合は、売買代金の支払い期限や瑕疵があった場合の対応なども契約内容に含めます。契約書の作成は、弁護士や司法書士等の専門家に依頼することをおすすめします。
4.所有権移転登記
契約が終わったら、通常の不動産と同じく、法務局に所有権移転登記を申請します。山林の場合も、所有権移転登記の手続きは通常の不動産と同様となります。登記手続きは自身で行うこともできますが、司法書士等の専門家に依頼するのが一般的です。
5.税務申告
山林の譲渡が終わったら、山林についての税務申告を行いましょう。売却であった場合は、譲渡所得の申告、無償譲渡となった場合は、受け取った側に贈与税の申告が必要となるケースがあります。また山林は、所有してから5年以上を経過して譲渡した場合は、山林所得として通常の所得とは異なる計算方法が必要です。税理士等に相談の上、申告を行うようにしましょう。
いらない山林を手放せない時に使える対処方法とは

いらない山林を相続などで所有することになり、譲渡や売却といった方法で手放せなかった場合、固定資産税や維持管理の負担を負い続けることになります。山林は、宅地として活用するなど通常の不動産としての活用が難しいため、引き受け手がみつからないことも珍しくありません。ここでは、できなかった場合に使える対処方法を紹介します。
引き取り業者に依頼
売却や寄付といった方法でも処分できない山林に使えるのが、専門の引き取り業者へ依頼する方法です。引き取り業者は、通常の不動産会社では取り扱いができない土地であっても、活用する専門のノウハウを持っているため、他の方法では断られてしまったという土地であっても、引き受けてもらえる可能性が高いです。
引き取りは有償となる場合もありますが、山林を所有することで続く税負担や維持・管理の手間を考えれば、不要な山林は少しでも早く手放すことをおすすめします。他の方法で処分できない山林をお持ちの場合は、まずは無料査定だけでも申し込んでみるといいでしょう。

マッチングサービス
不要な山林を処分する方法として、マッチングサービスもおすすめです。マッチングサービスは、山林を買いたい人と売りたい人を結び付けてくれるプラットフォームです。マッチングサービスを使えば、他の処分方法では断られてしまった山林であっても、自分の好きな価格で登録し、全国の買い手に向けて情報を発信することができます。
マッチングサービスは、引き受け手が見つかるまでに時間がかかる可能性がありますが、売買に関心が高い人が集まっているため、申し込みからの成約率が高いのが特徴です。不要な山林に困っているという方は、まずは登録だけでもすませておくことをおすすめします。

まとめ
本記事では、山林の譲渡方法について解説しました。不要な山林は、所有者にとって大きな負担となります。特に相続等で山林を取得することになった場合、不動産取引の知識がない相続人にとって、山林を処分することは簡単ではありません。本記事を参考に、ぜひ自分にあった処分方法を見つけてください。
