
売れない田舎の土地を処分するおすすめの方法とは?放置は危険!?
相続などで意図せず田舎の土地を所有することになった場合、売ろうにも売却できず、かといって賃貸等で活用もできず、処分に困っているという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そんな売れない田舎の土地を所有してお困りの方のために、土地の処分方法や放置するリスクなど、知っておくと役立つ情報をご紹介します。
田舎の土地が売れずらい理由を3つ紹介

田舎の土地は、都心の土地と比べて、広すぎるために売れずらいといった特徴があります。ここでは、田舎の土地によくある土地が売れずらくなる理由を解説します。
土地が広すぎる
田舎の土地は、土地が安いために広くなる傾向があります。土地が広いことは、売却する上で有利にみえますが、土地が広いと管理が大変になったり、固定資産税が高くなるといったデメリットもあります。そのため、土地が広すぎることがかえってデメリットになり、売れない可能性があります。
インフラが整っていない
田舎の場合は、土地周辺のインフラが整っていないケースが多いです。病院や学校等の公共施設が近くにない、買い物できる場所がないなど、インフラが整っていない場所では、賃貸で貸し出すことも難しくなってくるため、買い手からは避けられてしまう傾向があります。
立地が悪い
田舎の土地は、どうしても立地が悪くなりがちです。駅から遠い、人通りが全くない、過疎化が進んでいるなど、不動産を活用するための条件が厳しくなってしまうと、たとえ広く整った土地であっても、売却は困難となります。
田舎の土地を売るためのポイントとは

田舎の土地は、田舎特有の事情を考えたうえで、売るための方法を考える必要があります。田舎の土地を売るためのポイントを紹介します。
更地にする
土地に傷みの激しい空き家や倉庫等がある場合は、更地にすることを検討しましょう。条件がいい土地であったとしても、買主にとって不要な建造物等があることは大きなマイナスポイントとなります。土地を更地にして、買主の負担を減らすことで、売れる可能性も高くなります。尚、多少の傷みであれば、DIYなどをする目的で古家を探している人へ譲渡できる可能性もあるため、安易に解体はせず、空き家系の売買サイトでの取引事例を参考にしたり、専門家等に相談して、解体せざるを得ないといった場合の最終手段として位置付けるなど、慎重に検討することをお勧めします。
地元の不動産屋に相談する
田舎の土地の売却を検討する場合、その土地の不動産屋に相談するようにしましょう。田舎の不動産屋は、その土地につながる人脈を持っている場合が多く、他の不動産屋にはないコネを持っている場合もあります。
田舎の土地の放置は危険?考えられるリスクとは

田舎の土地を売ろうとしても売却できず、土地を放置しているという方もいるかもしれません。しかし、土地を放置することは税金の支払いや隣人トラブルの可能性など、様々なリスクが伴います。ここでは田舎の土地を放置するリスクについて紹介します。
金銭的なリスク
土地を放置していると、金銭的なリスクを負うことになります。たとえ収益を生んでいない田舎の土地であっても、固定資産税は所有しているかぎり発生します。また、使っていない土地であっても、定期的にお金と時間をかけて維持管理をしないと、土地が荒れていき隣地に庭木が侵入する、空き家が倒壊して損害賠償を請求されるといった様々なトラブルの原因となってしまいます。
対人トラブルのリスク
土地の放置は、対人トラブルのリスクを招く場合もあります。土地を放置することで荒れていき、周囲の土地との境界がわからなくなり所有権を巡る争いに発展する、害虫や獣害の原因となり、隣人とトラブルになることが考えられます。また土地を処分しないまま子や孫に相続されると、土地の所有を巡って家族間での押し付け合いが発生することもあります。
犯罪発生のリスク
土地がしっかりと管理されていないと、犯罪に巻き込まれる可能性もあります。周囲から管理されていないと思われた土地は、不法投棄の標的とされてしまう可能性があります。また、空き巣被害や放火、不審火などの被害にあったり、最悪の場合、犯罪現場に使われてしまう可能性があります。
田舎の土地を活用するおすすめの方法3選

田舎の土地が売却できない場合、自身で土地活用をする方法もあります。ここでは、売れない田舎の土地に使える活用方法をいくつかご案内します。
別荘・民泊
田舎の土地は、人口が少ない立地の場合も多く、通常の賃貸での活用が困難な場合があります。そんな時におすすめなのが、別荘や民泊といった活用方法です。田舎でも観光地が近ければインバウンドでの利用が見込めたり、ワーケーションとしての需要を発掘できる可能性もあります。
太陽光発電
人が少なく通常の活用が難しい場合は、太陽光発電といった活用方法も検討しましょう。太陽光発電は、太陽光パネルを設置し、発電した電気を売ることで収益を得ることができます。初期投資は必要となりますが、国が一定額で買取を行う制度もあり、安定的な収益を見込めます。
老人ホーム
田舎の土地を持っている場合は、老人ホーム等、介護施設の運営もおすすめです。田舎は高齢化が進んでいる場合が多く、田舎では老人ホームに高いニーズが見込めます。介護施設の運営には、経営のノウハウは必要ですが、土地を活用することで家賃を抑えて運営ができるため、利益を残しやすくなります。
活用も売却もできない田舎の土地の処分方法とは

田舎の土地の場合、活用も売却もできないといったことも十分に考えられます。その場合でも、維持・管理の責任や税金の支払い義務は土地を所有している限り続いていきます。
そんな時は、そのまま保有を続けて固定資産税などを払い続けるよりも、少しでも早く田舎の土地を処分する方針を検討しても良いかもしれません。
ここでは、田舎の土地を処分するためのおすすめの方法を紹介します。
自治体に寄付
自治体によっては、土地の寄付を受け付けている場合があります。土地を寄付することができれば、いらない土地を無償で処分することができます。寄付を受け付けているかは自治体によって異なるため、まずは最寄りの役所等に問い合わせをしてみましょう。ただし、寄付後の土地は自治体が活用するため、引き取り後も活用が難しい土地は引き取ってもらえない可能性がある点に注意しましょう。
相続土地国庫帰属制度
不要な土地は、相続土地国庫帰属制度で引き取ってもらうこともできます。相続土地国庫帰属制度は、国に有償で土地を引き取って貰うことができる制度です。2023年よりスタートした制度で、相続または遺贈によって手にした土地であれば、制度開始前でも利用可能です。相続土地国庫帰属制度を利用できる土地には条件があるため、まずは最寄りの法務局に相談してみましょう。
隣人に譲渡
不要な土地は、隣人に譲渡して手放す方法もあります。隣人にとっては、土地活用の選択肢が広がる、土地がまとまって価値があがるなどのメリットがあるため、受けいれてもらえる可能性が高い方法です。連絡先がわからない場合は、法務局で登記謄本を取得し、手紙をだすことで連絡をとるようにしましょう。
不動産引き取り業者に依頼
売却や活用も難しく、その他の方法でも処分できない場合は、不動産引き取り業者の利用を検討してみましょう。不動産引き取り業者は、土地活用のノウハウを持っているため、寄付や相続土地国庫帰属制度など、他の方法では断られてしまった土地であっても引き取ってもらえる可能性があります。
引き取りは有料となる場合もありますが、不要な土地を所有し税負担や維持・管理の責任を負い続けることを考えれば、一刻も早く処分した方が得となる可能性が高いです。不動産を処分できず困っているという方は、まずは相談を検討することをおすすめします。

マッチングサービスの利用
最近では、不動産の取引でもマッチングサービスを利用する人が増えています。マッチングサービスを使えば、他の方法で処分を断られてしまった土地であっても、売却価格を自由に設定し、全国の買い手に向けて情報を発信できます。
マッチングサービスは、処分までに時間がかかる可能性もありますが、土地を少しでも高く売却したいという方は、出品登録をしてみるとよいでしょう。

まとめ
本記事では、売れない田舎の土地について、売却するためのポイントや、処分方法を解説しました。田舎の土地を所有することになって困っているという方は、ぜひ本記事で紹介した方法を試してみて下さい。

株式会社KLC 代表 小林 弘典
幼少期から不動産が大好きな、自他共に認める不動産マニア。
不動産会社でも手を出せない不動産の専門会社「株式会社KLC」代表を勤め、
自身のYoutubeチャンネル「相続の鉄人」にて、負動産問題について啓蒙活動も実施。
- 総務省 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業登録アドバイザー
- 空き家等低利用不動産流通推進協議会 理事
- 立命館大学経済学部 客員講師
- 不動産有料引取業協議会 代表理事