いらない不動産を寄付する方法とは?寄付出来なかった場合の対処法も解説!
相続などでいらない不動産を所有すると、税金や維持・管理の負担が重くのしかかります。しかし、所有者にとって不要と感じるような不動産は、売却や賃貸にだすといったこともできず、困ってしまうというケースも少なくありません。
そういった場合に、自治体などに寄付をすることで不動産を処分する方法があります。ここでは、不動産を寄付する場合の手順や、寄付を断られてしまった場合の対処方法をご紹介します。
いらない不動産は寄付できる?自治体での受け入れは?

いらない不動産を所有することになってしまった場合、寄付によって処分することができます。寄付の受け入れ先としては、自治体や医療法人、学校法人、NPO法人などが考えられます。
ただし、自治体などの受け入れ先にとっても、活用ができない土地は大きな負担です。そのため、実際に寄付を受け入れてもらうハードルはかなり高いといえるのが現状です。
寄付を断られやすい不動産とは

寄付を受け入れてもらえるかどうかは、土地の立地などの様々な条件で判断されます。ここでは、寄付を断られやすい土地によくある3つの特徴を解説します。
立地が悪い
立地が悪い土地は、寄付を断られやすくなります。駅から遠い、幹線道路から離れているなどアクセスが悪い土地は、活用の選択肢が少なくなってしまうため、受け入れが難しくなります。その他にも、周囲に病院やスーパーなどインフラ施設がない、過疎地などの不便な土地も、寄付を断られてしまう可能性が高くなります。
接道していないなど条件が悪い
条件が悪い土地は、寄付を受け入れてもらうことが難しくなります。たとえば、接道していない土地は、「再建築不可」となり建物が立てられない可能性があります。また、その他にも、旗竿地になっている、傾斜地、形状が複雑といった土地は、効率的な土地の活用が困難となるため、寄付先でも活用が出来ない可能性が高くなります。
権利関係などでトラブルの可能性がある
権利関係が複雑な土地は、寄付先も受け入れが困難となる可能性があります。たとえば、共有名義になっている、抵当権が設定されているなど、トラブルが発生しそうな不動産は、どんなに条件が良い土地であっても、避けられてしまう傾向があります。その他にも、境界が不明瞭、他人の敷地を通らないと出入りできない袋地なども、寄付をすることは難しくなります。
不動産を自治体に寄付する手順とは

不動産は、寄付をするにあたって移転登記などの手続きが必要となります。ここでは、自治体を例に寄付をする場合の具体的な手順について説明します。
1.自治体に相談
自治体に寄付を行う場合、まずは土地の所在地を管轄する市役所等に相談してみましょう。寄付はどの自治体でも受け入れを行っているわけではないため、最寄りの自治体が寄付を受け付けているかどうかを確認する必要があります。相談の際は、登記事項証明書や公図、現地の写真等、土地の状況がわかる書類を用意しておくとスムーズです。
2.調査
土地が寄付の対象になると判断された場合、詳細な調査が行われます。審査は、登記謄本などの書類の確認に加え、担当職員による現地調査が実施される場合もあります。書類と土地の現状に違いはないか、境界が明確になっているか、土壌汚染はないかなど、活用にあたり不都合な点がないかをチェックされます。
3.登記手続き
自治体が正式に受け入れを決定した場合、所有権移転登記の手続きに移ります。通常の不動産取引とは異なり、寄付の場合は所有者が登記に必要な書類を準備し、自治体が登記手続きを行うのが一般的です。寄付申出書、登記事項証明書、所有権移転登記承諾書など、書類の提出が必要となりますので、準備をしておきましょう。
4.手続き完了
登記が完了し、登記簿の所有者が自治体に移転すれば手続きは完了です。土地の所有者は自治体となり、固定資産税や都市計画税の納税義務、土地の維持・管理義務から解放されます。
いらない不動産は寄付した方がいい?放置が危険な理由とは

寄付を検討するような不動産は、寄付を断られてしまうことも珍しくありません。その場合、処分先が見つからずに放置しておくという方も多いかもしれませんが、不動産を放置しておくことは、様々な危険が伴います。
税金や損害賠償が発生する
不動産を所有していると、税金や損賠賠償発生のリスクを負うことになります。たとえ活用していなくても、固定資産税の支払いは永遠に続きます。また、塀が崩れて通行人に怪我をさせたり、庭木がはみ出して事故の原因になったという場合、不動産の所有者として管理責任を問われ、損害賠償を請求されてしまう可能性があります。
対人トラブルの原因になる
放置された不動産は、様々な対人トラブルの原因になる可能性があります。伸び放題になった雑草が、害虫や害獣の原因になり、近隣住民から苦情をいれられる、境界付近の立木が隣家に侵入して、トラブルになることもあります。また、不動産が処分されないままに相続されてしまうと、相続人同士でいらない不動産の押し付け合いになり、家族や親族が揉める原因になってしまいます。
犯罪に巻き込まれる
管理の行き届いていない空き家や土地は、犯罪に巻き込まれてしまう原因になることもあります。人目につかず、管理されていないとみなされた不動産は、粗大ゴミや産業廃棄物を不法投棄されたり、放火、空き巣被害などにあう危険性があります。最悪の場合は、勝手に犯罪現場に利用されて警察沙汰になり、所有者としてその対応に追われることになります。
寄付ができない不動産におすすめの処分方法とは

不動産の寄付先が見つからなかった場合、所有者は資産価値がない不動産のために、税金や維持・管理の負担を負い続けることになってしまいます。
しかし、そういった不要な不動産でも処分できる方法があります。ここでは、寄付ができない不動産に使えるおすすめの処分方法を紹介します。
相続土地国庫帰属制度
相続土地国庫帰属制度は、2023年4月から始まった新しい制度で、相続または遺贈によって取得した不動産を国に有償で引き取ってもらえる制度です。相続土地国庫帰属制度を使えば、不要な不動産を手放し、必要な財産のみを相続することができます。
ただし、利用できる不動産には条件があり、審査手数料や負担金を支払う必要があります。利用を検討している場合は、まずは最寄りの法務局に相談してみましょう。
隣人に譲渡
いらない不動産は、隣人に寄付することで処分する方法もあります。所有者にとって不要な土地でも、隣人にとっては、土地が広くなることで活用しやすくなったり、価値があがるといったメリットがあるため、受け入れてもらえる可能性があります。隣人の住所がわからない場合は、法務局で登記謄本を取得し、手紙をだすことで連絡をとることができます。
空き家バンク
不要な不動産を抱えている場合は、空き家バンクを使うのも有効です。空き家バンクは、地方自治体が運営するサービスで、空き家を売りたい・貸したいといった所有者と、移住や活用を希望する人をマッチングさせる制度です。ただし、すべての自治体にあるわけではなく、自治体の発信力が弱い場合は、なかなか希望者が見つからないこともある点に注意しましょう。
引取業者に依頼
不要な不動産の処分先がどうしてもみつからないという場合に活用したいのが、不動産の引き取り業者です。引き取り業者は、通常の不動産会社では取り扱ってもらえない不動産を処分する独自のルートやノウハウを持っているため、他の方法では処分できなかった不動産であっても引き取って貰える可能性があります。
処分は有料となる場合もありますが、税金や維持・管理の負担を考えれば、手放してしまう方が得をすることがほとんどです。不要な土地に困っているという方は、まずは無料相談から利用してみることをおすすめします。

マッチングサービス
最近では、不動産の取引にマッチングサービスを使う方も増えています。マッチングサービスは、不動産を売りたい、譲渡したいという人と、買いたい人や活用したい人をつなぐプラットフォームです。
マッチングサービスを使えば、通常の不動産会社では情報を届けることができなかったような、ニッチなニーズを持った層に土地の情報を届けることができます。不要な土地に困っているという方は、まずは土地の情報を登録してみましょう。

まとめ
いらない不動産を寄付することは可能ですが、受け入れてもらえないこともあります。不要な不動産は、放置し続けるとその分土地も荒れていき、時間が経過するほど処分が難しくなります。不要な土地に困っているという方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
監修者
株式会社KLC 代表 小林 弘典
幼少期から不動産が大好きな、自他共に認める不動産マニア。
不動産会社でも手を出せない不動産の専門会社「株式会社KLC」代表を勤め、
自身のYoutubeチャンネル「相続の鉄人」にて、負動産問題について啓蒙活動も実施。
- 総務省 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業登録アドバイザー
- 空き家等低利用不動産流通推進協議会 理事
- 立命館大学経済学部 客員講師
- 不動産有料引取業協議会 代表理事
